大学の同期がインターン先で僕の話をしたら、ぜひ僕に来てほしいとのことでそこの懇親会に招待された。話を聞いてみると、数学/パズル/アルゴリズムの知見をゴリゴリの工業に役立てる仕事をやっていて、やりがいもあるし役にも立てそうだと思って引き受けることにした。休学をしている間のコミュニティも欲しいし。
懇親会では、キャバクラの話をずっとしてるシャバい大人とか、結構嫌な感じに酔っ払ってる大人とか、後輩へのコミュニケーションがあんま面白くない反応しづらいイジりしかない大人とかばかりで、人間関係という意味で少し不安があった。しかし、実際に働いてみて上司として関係する分には、無神経なことはしない常識的で気遣いができる人たちだった。
ただ、イケイケスタートアップだからなのか、マッチョイズムを内面化している人や自信に満ち溢れた人が多いなぁ、という印象を受ける。社員とインターン生の自己紹介がまとまった資料を渡されてそれを読むと、「○○を日本一の会社に!」「△△という技術で私が一番になります」「全力で爆速成長します」、そんなコメントが並んでいる。皆どういう気持ちで買いているのだろう。威勢よく見せておいたほうが良いだろう、そんな腹づもりで書いているのか、本心から書いているのか...思ってもいないことを書くのはできないし、かと言って一人だけ冷めたことを書くのも目立つので、自分の強みを活かせる場所を見つけて頑張ります、と等身大のコメントを残しておいた。
僕の友人で自信に満ち溢れているような人は一人もいない。皆自分自身を薄ら嫌っていて、それゆえに気を病んでいる人も多い。変な環境なんだろうか。自信に溢れているのは大変結構だが、そうはいられない人たちへの想像力がなさが言動の節々からにじみ出ている人に出会うと嫌な印象を抱く。東大には一定数そういう人がいて(その割合は外の世界よりは少ないと思うけど)、やっぱりその人達とは自然と距離を取ってしまう。
エンジニアっぽい仕事はしたことがないので、仕事自体は新鮮さがあって楽しい。研修を終えて3日目の出社日だったが、プロジェクトに追いついて小さな成果を出すことができた。まあ、アイデア出しやロジックの構築を除く具体的な作業は多くの部分をAIがやってくれたのだが...
これに伴って4年間続けていたバイトを辞めた。冷淡な職場だと思っていたが、やめる際になってとても温かい言葉を掛けてもらって、嬉しかった。
最近読んだ漫画
ディエンビエンフー / 西島大介
この漫画を知ったのは、同名のボカロ曲からだった。聞いてて楽しいパンクだ。ぜひ聞いてほしい(この漫画とは恐らく関係ない)。
ベトナム戦争を題材にしたボーイ・ミーツ・ガール漫画であり、バトルマンガでもある。漫画を読んだ経験が足りないのか、読みづらく感じてしまった。決してキャッチーな漫画ではない。ただ、不思議と惹かれるところがあった。
世界観とノリに慣れるまで時間がかかったが、それに慣れてしまうと少しずつこの漫画の描こうとしていることが分かってきた。結局はセカイ系なのだと思う。沢山の人が死んでいく様子はもはや背景で、そんなこととは関係無しにキャラクターたちはお互いに様々な形の執着を向ける。性愛であったり、代替的な父性愛だったり。ただ、そのどれもが"普通"の形をしていない。戦争の渦中でも個人の事情に熱中できる狂った人たちだからなのかもしれない。でも戦争が完全に道具になっているわけではない。その残虐さであったり、アメリカの横柄さであったり、そういったことは批判的に描かれていると思う。
潮が舞い子が舞い / 阿部共実
おもしれー!!!
ゆゆ式みたいな、なををををををの不器用ビンボーダンスみたいな、他愛もないことにまつわる言葉遊びばかりの会話のなかでキャラクター同士の関係を描くような作品だ。こういうのがとにかく好きだ。ちゃんと会話は下らなくてfunnyだし、高校生の子供っぽさやバランスの悪さをよく表現できていると思う。男の子も、女の子も、子供らしく可愛く描かれていて、そういう純粋さを見せられると嬉しくなってしまう。
名前のない病気 / 宮川サトシ
作者の家族に関する実話である。引きこもりの長兄のせいで(実際には、両親の対応の悪さもあって)作者と次兄はひどい子供時代を送っていた。そのひどい子供時代のことを一つ一つ思い出しながら綴っていく、息が詰まるような漫画である。こんな世界があるのか、という気持ちだった。まだ連載中の漫画で、続きが気になってしまう。
自分の家族以外の家族というのがどのようなあり方なのか、本当の意味で理解することは難しい。友人関係と違って、家族関係というのはクローズドなものだからだ。誰かと話している時、その人の向こうにいる家族がどのような人たちなのか、全く想像することができない。もしかしたら、この漫画に描かれているような家庭を持っている人がすぐ近くにもいるかも知れない。
ありす、宇宙までも / 売野機子
セミリンガルの少女と、その子を救い出して宇宙飛行士にまで導く少年、二人の話である。とても爽やかでみずみずしい青春の話だ。ただ、さっぱりした話にするためか二人が抱えている難しさの描写が少し浅くなっていて物足りない気持ちもある。ただ、概してロケットサイダーのようなきらめく物語であることには間違いない。最新刊に近づくにつれ、少年と少女が近づいて互いの救いとなっていく様子の描写が薄れて、宇宙飛行士になるまでの具体的な過程の描写が主となっていく。そのあたりになってくると、宇宙兄弟と殆ど変わらないかもしれない。(つまり、面白いが面白さが違う)
生活マン / 南田冬
生活マンは身近な困りごとを助ける街の小さなヒーローだ。フリーターとしてごく庶民的な暮らしをしている。生活マンのバイト先での人間模様や、ヒロインみたいな女性との関係、育て親となってくれた人との人間関係の機微が主軸にある。一つ一つの話が丁寧で、全くの無理がなく、悪い人が殆ど出てこない、読んでいてほっこりするような話である。漫画を書くのがうまいなぁ...
ところで、生活マンのバイト先のココロちゃんが、「付き合ってあげてもいいかな」の環ちゃんに造形から性格までとにかく似ている。(つきかな、ドラマ化しますね!ガチでアツい)あまり"好きなキャラ"というものはないが、この二人は何だか好きかもしれない。

ヒトゴトですから! / ユニ
百合漫画である。ユニはバランスの良い社会人百合を沢山描くが、これもその一つだ。ほとんど私費出版だと思うが、どれもクオリティが高い。僕と同じようにkindle unlimitedで百合漫画を読み漁っている人なら誰でも知っているだろう。
本作は恋愛関係が主軸にあるわけでなく、単にレズビアンの女性二人が仕事を頑張る話だ。自分はいわゆる"会社"で働いた経験がほぼないので、会社のあり方をポップにしれて面白かった。同じ社会人百合でもSal Jiangの白と黒みたいな激情漫画ではない。
私だけが宮地美雪を愛している / スズオ
本当に面白くない百合漫画なので、読まなくてok。